News — 2026.07.13
タグで読む、
TOWNCRAFTの年代
ヴィンテージ タウンクラフト ネームタグ判別ガイド 1940s–1980s
1927年に生まれたTOWNCRAFTは、ミッドセンチュリーのアメリカで、名もなき日常着として数え切れない衣服を送り出してきました。その首元には、いつも小さな布片が縫い付けられています。ネームタグ——それは時代とともに少しずつ姿を変え、いまでは一枚の服がいつ生まれたのかを教えてくれる、もっとも確かな手がかりになっています。
古着店の棚で、あるいはお手元の一枚で。タグを読むことは、その服が仕立てられた時代と静かに向き合うことでもあります。1927年から続くブランドの公式サイトとして、これまで愛好家のあいだで積み重ねられてきた知見を、ここに整理してお渡しします。
〔注記〕本ガイドの年代は、おおよその目安です。タグの切り替えには移行期があり、同じ年代でも複数の仕様が併存することがあります。個体差を前提に、複数の手がかりを重ねてご覧ください。
01 — How to Read
読み方の基本——ふたつの視点
年代を読むうえで、まず押さえておきたい視点がふたつあります。
視点1:販売元の社名表記
初期のタグはブランド名だけで完結しており、販売元の社名はどこにも入っていません。社名が併記されるようになるのは1950年代以降のこと。しかもその表記は、「すべて大文字」の時代から「頭文字のみ大文字」の時代へと移り、1971年には社名の表記そのものが変わります。社名の「有無」と「書かれ方」——これが年代を分ける第一の鍵です。
本ページでは、現存する個体の実物写真を〔実物〕の印とともに掲載しています。
視点2:®マークの有無
登録商標を示す®マークは、1940年代前半のタグには見られません。1940年代後半から付くようになり、以降のタグでは定着していきます。社名表記と組み合わせることで、判別の精度が上がります。
02 — 1940s
1940年代——ブランド名だけの時代
この時代のタグに共通するのは、ブランド名だけで完結していることです。販売元の社名は、まだどこにもありません。
筆記体タグ
ブランド名を流れるような筆記体で織り出したタグです。活字ではなく手書き文字を思わせる意匠は、この時代ならではのものです。
DE LUXEタグ
王冠や椰子の木といった装飾的なモチーフとともに、「DE LUXE」の文字が添えられたタグです。名称のとおり、華やかな意匠が目を引きます。

実物c.1940s筆記体タグ——流麗なスクリプトによる最初期の意匠。社名はどこにもない

実物c.1940sDE LUXEタグ——王冠の紋章を添えた華やかな一枚
見るべきポイント・タグに販売元の社名が入っていない → 1940年代以前の可能性
・®マークがなければ1940年代前半、あれば1940年代後半〜1950年代初期の目安
03 — 1950s–60s
1950〜60年代——社名が「全大文字」で入る
この時期から、ブランド名とともに販売元の社名が併記されるようになります。表記はすべて大文字。ここが、のちの時代との分かれ目です。
WASHABLEタグ/MACHINE WASHABLEタグ
「洗える」ことを示す表記をタグそのものに織り込んだ仕様です。
SANFORIZEDタグ
「SANFORIZED」は、生地に防縮加工が施されていることを示す表示です。このタグにも®マークが入ります(付く位置には個体差が見られます)。
Pタグ・船タグ
左側に「P」をあしらったPタグには、通常の四角いものに加え、三角形のバリエーションが存在します。背景や左側に船の意匠を配した船タグは、図柄の入るタグとして、この時期を象徴するもののひとつです。

実物c.1950s–60sWASHABLEタグ——社名は全大文字、®マークを伴う

実物c.1950s–60sMACHINE WASHABLEタグ——同色の透かし織りに機能表示を重ねる

実物c.1950s–60sSANFORIZEDタグ——防縮加工の表示を織り込んだ一枚

実物c.1950s–60sPタグ——左に「P」の意匠。四角に加え三角形のバリエーションも

実物c.1950s–60s船タグ——船の意匠を同色の織りで薄く敷いた図柄入りの一枚
見るべきポイント・販売元の社名が「すべて大文字」で入っている → 1950〜60年代の目安
・WASHABLE/SANFORIZEDなど、機能表示がタグに現れはじめる
04 — 1960s–70s
1960〜70年代——社名が「頭文字のみ大文字」に
社名の表記が、全大文字から頭文字のみ大文字へと変わります。小さな違いですが、年代を分ける確かな指標です。
Plusタグ
左に王冠、右上に「Plus」の表記を配したタグです。青・赤・黒の展開が知られています。
PENN-PRESTタグ/PAR EXCELLENCEタグ
赤を基調とするのがPENN-PRESTタグ。「PENN-PREST」は、洗濯後も形状が保たれるパーマネントプレス加工を示す、タグに印字された加工技術名です。黒を基調とするのがPAR EXCELLENCEタグです。
セーター用の白タグ
セーターには、白地のタグが用いられました。素材表記とともに、王冠をあしらった意匠が見られます。


実物c.1960s–70sPlusタグ——左に王冠、筆記体の「Plus」。青・赤・黒など配色のバリエーションが存在

実物c.1960s–70sPENN-PRESTタグ——赤基調。加工技術名を枠で囲い、王冠を添える

実物c.1960s–70sPAR EXCELLENCEタグ——金糸の「pe.」モノグラムと王冠。白地の個体も存在

実物c.1960s–70sセーター用の白タグ——白地に赤糸。素材表記と王冠を伴う
見るべきポイント・社名の頭文字だけが大文字 → 1960〜70年代の目安
・Plus/PENN-PREST/PAR EXCELLENCEなど、地色や付記表記のバリエーションが広がる
05 — 1970s
1970年代——黒の時代
黒タグ
地色が真っ黒なタグです。左下に販売元の社名が小さく入ります。四角いものに加え、三角形のバリエーションが存在します。
なお、1971年に販売元の社名表記が変更されており、この違いも1970年代前後を分ける手がかりになります。

実物c.1970s黒タグ——真っ黒な地に左下の社名(1971年以降の新表記)。三角形版も存在
見るべきポイント・真っ黒な地+左下の社名 → 1970年代の目安
・社名の表記が旧いか新しいかで、1971年の前後を推し量れる
06 — 1980s
1980年代——青タグへ
青タグ
1980年代には、青を基調とした新しいデザインのタグへと移行します。ヴィンテージとしてはもっとも新しい世代にあたります。

実物c.1980s青タグ——青地の新デザイン。「EST. 1927」の表記が入る
見るべきポイント・青地の新デザイン → 1980年代の目安
07 — Quick Chart
年代早見表
| 年代 | 代表的なタグ | 判別の手がかり |
|---|---|---|
| 〜1940年代前半 | 筆記体タグ・DE LUXEタグ・ブロック体タグ(®なし) | 販売元の社名なし。®マークなし |
| 1940年代後半〜50年代初期 | ブロック体タグ(®あり) | 社名なしのまま、®マークが加わる |
| 1950年代 | NUCRAFTコラータグ | 襟用・社名なし・®あり・文章多め |
| 1950〜60年代 | WASHABLE/MACHINE WASHABLE・SANFORIZED・Pタグ・船タグ・ガウン用タグ | 販売元の社名が「全大文字」で入る |
| 1960〜70年代 | Plusタグ(青・赤・黒)・PENN-PREST・PAR EXCELLENCE・TAPERED・スウェット用プリントタグ・セーター用白タグ | 社名は「頭文字のみ大文字」 |
| 1970年代 | 黒タグ・Tシャツ用プリントタグ | 黒地・左下に社名。1971年に社名表記が変更 |
| 1980年代 | 青タグ | 青地の新デザイン |
※ 〔実物〕と記した写真は、現存する個体の一例です。タグの切り替えには移行期があり、同じ仕様でも細部には個体差が見られます。早見表には、本文で写真を掲載していない仕様(ブロック体タグ・NUCRAFTコラータグ・ガウン用タグ・TAPEREDタグ・プリントタグ等)も、判別の参考として含めています。
Afterword
結びに
タグを読み終えたら、どうぞ服そのものに戻ってください。素材の張り、縫いの運び、飾らない仕立て——タグが指し示す年代の向こうにあるのは、いつの時代も変わらない「普通の良さ」です。1927年にはじまったその続きを、現在のコレクションが静かに引き受けています。
ブランドの歩みは About に、年代ごとの変遷とアーカイブは History にまとめています。あわせてご覧ください。
首元の小さな年輪を、あなたの手で確かめる。
年代を宿した一枚は、オンラインストアでも。